読了

能楽への招待」梅若猶彦:著 能楽への招待 (岩波新書)面白かった。それに読後なんだか清々しさを感じたというか。いやあ、自分ももっと磨かなきゃ、スキルも内面も…。

自意識と暴力と鏡の話は興味深かった。わたしなんか身体という器から自意識が漏れまくってますわ。
あんまりみっともいいことではないなあ。はあ。

能楽師「私の肉体から歴史性がなくなっていくことを実感します。数年前まで、どのようなときでも観客を感動させることができました。しかし現在は肉体の充実感もまったくありません。どうしたらいいでしょうか?」
禅師「歴史性がなくなっていくのは大歓迎だ。身体的な充実感がなくなることも歓迎しなさい。これから無心を内面に宿らせることのみを考えればよい。充実感がないことをあなどるな。ときにはフワフワ飛んでいる蝶でも巌にくいこむことがあるのだ」 
                <6 無への探究から引用>

こんな境地になれることは一生ないかもね。でも、この問答なんか私には大事。

ああ、京都の高山寺のわんちゃん(運慶作)にあいたくなった。近々行こうかなあ…。